2011年4月6日水曜日

"横暴なカリスマ"長渕剛のユニバーサル移籍で次に泣くのは...

長渕の音楽が大好きな俺としては彼の行動がどれほど奇を衒っていようがかまいはしない。基本的に創作をする人間はどこか歪んでいるのだ。さらに周囲がそのゆがみをさらに拡大させる。その結果がどうであれ作品が素晴らしければ一向に構わない。

シンガーソングライターの長渕剛が、外資系大手のユニバーサルミュージックに移籍することが決まり、長渕を知る音楽関係者からは「長渕の横暴に、今度はユニバーサルの社員が泣かされる」と言う声が上がっている。


「ユニバーサルの石坂敬一会長は、以前、長渕が東芝EMIにいたときの担当だったよしみで、『うちに来ないか』と誘ったという話もありますが、担当するのは若手の社員。長渕の暴走を止められるとは思えません。無責任ですよ」(元レコード会社役員)

 長渕、かつては"若者のカリスマ"と言われたことがあるが、実像は小心者。しかも、暴力性を持った小心者だけに性質が悪い。

 筆者と長渕が接触を持ったのは十数年前。

 長渕の婚約不履行や粗暴について、すでに休刊になった女性誌「微笑」や「東京スポーツ」で記事を掲載してきた。決定的になったのは、1994年、長渕が全国ツアーをスタートした直後、彼が溶連菌感染症にかかり、コンサートを急遽中止したときのことだ。病気休業中だったのにもかかわらず、長渕は病院で愛人といわれた国生さゆりとイチャついていたことが発覚、そこで筆者は仮病疑惑を掲載した。

 さらにTBSドラマ『RUN』の打ち上げで、番組ADを理由もなくサンドバッグのように袋叩き。その場にいた国生もコップ酒を投げつけ「やれ!」と煽り、終わったあとにADに幾ばくかの金を渡して「訴えるなら、訴えてみろ」とうそぶいたと言う。にわかに信じ難い愚行だが、裏が取れたので記事にした。それに対して長渕は、あるビジュル雑誌の記事の中で筆者を「与太者記者」と罵倒したのだ。さらに、長渕サイドから連絡があり、「記事は事実無根であり、長渕本人が直接話したいと言っている」と事務所に呼びつけた。ところが、いざ事務所に行ってみると本人はいない。事務所のスタッフが応対したが、本人と話さなければ埒があかない。どうも事務所のどこかに長渕が隠れていそうな気がしたんで、帰り際に「長渕、いるんだろう。まだ書いていないが、ほかにも疑惑もあるぞ!」と吠えて帰ったのを記憶している。

 あとで長渕に近い人間から聞いた話だが、そのとき長渕はやはり事務所のどこかに隠れて、筆者の顔写真を撮って、ファンクラブの会報の掲載するつもりだったようだ。ファンを煽れば、犯罪に手を染めかねない。恐ろしい話だ。さらに、話し合いが決裂した以降、筆者に探偵による尾行が数日つけられたこともあった。

 だが翌年になって、長渕は大麻取締法違反で逮捕され、決着はついた。どれほど、筆者の書いた記事を否定しようが、違法行為を犯した人間の言葉に説得力はない。その後、長渕は所属していた東芝EMIから、フォーライフミュージックエンタテイメントに移籍した。

 フォーライフの後藤豊社長は長渕がデビューした頃に所属していた「ユイ音楽工房」のマネジャーで、業界でただ一人、長渕の暴走を止められる人物と言われていた。

「週刊誌にも書かれましたが、それでも後藤社長がいない現場や所属事務所では、スタッフがかなり犠牲になってますよ。数年前も、ニッポン放送の『オールナイトニッポン』の女性ディレクターが、放送中に長渕に怒鳴られて泣かされました。翌日から後藤社長が現場につくという笑えない話がありました」(レコード関係者)

 それでも今回、長渕は「ユニバーサルに移籍したい」と言って移籍した。虚像と実像がかけ離れた長渕を果たして、ユニバーサルの若手スタッフがコントロールできるか、注目したい。